角部屋




天気予報を見ていなかった。それが今日一つ目のミス。
最寄駅で電車を降りても雨足は弱まらなかった。
土砂降りの雨の中を潔く歩いて帰ると決めたのは、通勤用の定期以外に所持金が底をついていたからだ。
三段折の傘があるが、強い風の中では危なくてさしていられない。
スーツは明日にでもクリーニング店に持ち込むとして、イルカはなるべく濡れないように歩道のすみを歩きながら帰った。
家賃をもう少し出してでも、もっと近い場所に住めばよかったと思う。
普通に歩いても駅からアパートまで15分かかる。
今日などは視界も悪く水溜りなど思うように進めないから20分程度かかった。
アパートに辿り着く頃には、靴の中敷きまでぐにゃぐにゃで、雨水が下着まで到達していた。

玄関先でカバンの中の鍵を探していると、中から戸が開いた。
ザァザァと降る雨の音で、室内を人が歩く音に気づけなかった。
その為イルカは突然中から人が現れた事に驚いた。それが二つ目のミス。
雨の雫が邪魔をする視界の向こうで、明らかにカカシが眉間に皺を寄せたのがわかった。
「なんで、こんなに濡れてるんですか?」
「…カカシさん、来てたんですか」
「来てますよ」
イルカは大袈裟にカカシの出現を驚いた事に、彼が機嫌を悪くしているのだと思い至った。
年上のカカシは良くも悪くもポーカーフェイスで、両親を早くに亡くし人の顔色を見て育ったイルカには本来は苦手なタイプの男だった。
それが朝の通勤時、近所の小学生と話すイルカをマンションの角部屋から見ていたとカカシの方から話し掛けてきた。
最近よく地域の安全パトロールが配信するメールに登場する、子供をターゲットにした変質者としてイルカに疑いをかけていたらしい。
それくらい人相がよいとは言えないイルカだが、その快活な声を聞けばすぐに裏表のない人間だと言うことが相手にも分かるようだった。
イルカが人に自慢できるのはその声くらいだと自覚していたが、カカシは声も見かけも華のある男だった。その声で呼び止められなければ、イルカは日本人離れしたカカシと会話をしてみようと思わなかったかもしれない。
カカシも子供達が懐くのと同じように、イルカとすぐ仲良くなった。
そしていつの間にか、カカシは恋人としてイルカの部屋の合鍵を持つ身だ。
どう口説かれたか自分でもよく分かってないが、気が付いたらそういうことになっていた。
運命だから深く考えないでというカカシの言葉に素直に従った。
カカシは駅からすぐの家族向きの部屋に余裕のあるマンションに住んでいるのだが、なぜかいつもイルカの狭くて古い2Kのアパートに来たがるのだった。

イルカは狭い玄関に入ると、雨に濡れてずっしりと重くなったコートを脱ぎ、難儀しながら靴下を脱いだ。一人なら玄関で濡れた衣類を脱ぎ捨て、裸になって風呂へ直行するが、カカシが斜に構えて腕組みしている前で見苦しい格好をさらすのは避けたい。水が滴り落ちそうなズボンの裾を持ち上げて玄関のたたきを上がろうとしたところで、上からカカシのため息が降ってきた。
「アナタには、タクシーに乗る分別も無いの?」
「今日は持ち合わせがなくて…」
「カード持ち歩いてないの?」
「ワンメーターだし…」
「何ソレ。風邪引く方が結果的に損な事くらい分かるでしょ」
呆れたようにカカシがそっぽを向いた。
イルカは現金主義で、カードは滅多な事では使わない。
雨に濡れて冷たい身体が一層重くなった様な気がした。
「俺がメール送ったの見てないでしょ。雨が酷いから、俺の家に寄るように送ったのに。全然返信してくれないから、俺がこっちに来たの」
「え?」
「貴方さ、自分には恋人がいるって自覚ないでしょ。だから、あんまり携帯の事意識しないんだよね。それって、ビジネスマンとしてどうなの。仕事上、急な連絡が必要な時どうしてるの?」
もっともだとイルカは黙って聞いていたが、ふいに寒さを感じた。
クシャンとイルカがクシャミをした所で、カカシが慌てた顔をした。
「お湯ためてありますから、お風呂に入って下さい」
カカシの脇を通り抜けると、イルカは狭い洗面所兼脱衣所に入り扉を閉めた。
部屋の中に入った時、温かい食べ物の匂いがしたからカカシは何か用意して待っていてくれたのかもしれない。悪いことをしたなぁと思う。
カカシはよく気づくし、自分には勿体ない程の出来た恋人だ。
けれど彼は気難しい上に、イルカの読めない行動を取る。
いつでも来ていいと言ったけれど、まさか今日もだとは思っていなかった。
タイミングが悪い。濡れて帰るのを選ぶなんて、まるで中学生の男子レベルの幼稚さを疑われたかもしれないと思った。でもこれがイルカの等身大の姿なのだ。
まだまだ未熟で、自分の体力を過信するだけの若さもある。スーツやコートが雨に濡れて皺になろうが、乾かせばなんとかなると思っている。
最初はそれなりに身なりだけでもカカシに釣り合うように気をつけていたが、どんなに頑張ってもカカシに追いつけないらしい。
彼の職業が弁護士だという事や歳の差以上に、自分とカカシには違いがある。
男として全方位に劣るとは断じて認めないが、どんなに頑張ってもあのようにスマートな男ぶりは身に付きそうに無い。それが最近イルカには分かってきた。
まだ正式に付き合いをはじめて半年も経っていないのに、このまま一緒に居る事が互いの幸せになるのか、近頃行き違いがある度に考えるようになった。
こうやって一つ一つ幻滅されて恋人関係を解消されるのは、イルカがいつも遭遇するパターンだ。同性との付き合いは過去になかったが、相手の望むような人間でなかったと呆れられるのは同じだろう。
雨に濡れて冷えた髪に熱いシャワーをあてても、なかなか身体が温まらない。
綺麗に洗われた湯船にはイルカを誘うように温かなお湯が溜まっているが、ここでゆっくり時間を使うと、余計にカカシの機嫌が悪くなりそうな気がする。
けれど、せっかくお風呂の用意をしてくれたカカシの厚意を無碍にする事も出来ない。イルカは素早く身体を洗い終えると、湯に肩までつかって早口で百数えた。



一方、カカシは濡れて帰ってきたイルカの後始末をしていた。
途中でさすのを断念したらしい、裏も表も無いくらいに濡れた三段の折りたたみ傘は、細く巻いて玄関の内側にたてかけておいた。
遠慮がちに玄関の脇に置かれた濡れた衣類を、イルカはそのままクリーニングに出すつもりかもしれないが、濡れたままにしておけば繊維が傷むし臭いがつくかもしれなかった。
一番濡れているのはスーツのパンツのひざ下から裾にかけてと、コートだ。パンツの裾に至っては水が滴り落ちそうなくらい濡れている。
イルカが毎日着ているウールのコートは当然クリーニングに出すとして、まだ朝晩寒い日があるというのに彼が替えの物を持っているか気になった。
イルカがクローゼットと呼ぶ、押し入れを改造したふすまの扉を開けようとして、カカシは手を止めた。
カカシはこの家に押し掛けて手料理も食べさせるし簡単な掃除もする。そのカカシがクローゼットを開けて確認してもイルカは怒らないかもしれないが、何となくまだそれは気が引ける。
もし替えのコートがないのなら衣装持ちのカカシの物を貸せばいい。イルカに似合いそうな濃紺のコートや、英国製のトレンチコートを着せてみたい。
そんな事を考えながら濡れたコートやパンツに汚れがないか確認し、部屋の隅に掛けてあるハンガーにタオルを巻き、皺を伸ばし形を整えて吊るした。
自分のした仕事を見上げ、このまま綺麗にスーツが乾いたら何事も無くイルカが着てしまいそうで、カカシはそれを想像して眉間に皺を寄せた。
思い出したように小さな怒りがふつふつと沸いてくる。
(こんなに濡れるくらいなら、駅前にある俺のマンションに寄りゃあいいじゃない。合鍵だって渡してあるのに…)
当のカカシは早く仕事が終わったので、雨が強くなる前にイルカの家に上がり込んでいたのだった。そろそろ最後の鍋をイルカとつつこうと、用意をして待っていた。
あまりかわいいイルカにいらぬ苛立をぶつけたくは無いが、彼が酷い雨の中ビショビショに濡れて歩いている姿など想像するだけでカカシは胸がキュッとなる。
(あーもー、口うるさく言いたくはないけど)
カカシはこの街に引っ越してきた時、すぐに後悔した。
駅に近くて住みやすいと思ったのもつかの間、山ひとつ向こうにある高校に向かって十代の少年少女が朝夕通学に利用する駅だったのだ。朝から大勢でうるさいし、マナーもいい学生ばかりとは言えない。
だが、それも運命だった。イルカが住む街だったのだ。
「神様っているんだねぇ…」
カカシは気を取り直して次の行動に移った。
濡れた革靴の汚れを水で拭ってから新聞紙を丸めたものを入れ形を整えた。それからその横に置いてあった、しっとりしたカバンの表面をタオルで拭いながらどうしようかと迷った。
部分的に革が使ってあるが、大半がナイロンのビジネスバッグだ。これも肩ひもから本体の部分までしっかり濡れている。
ふと中に携帯が入っていたらまずいのではないかと思った。
いつもより厚みのあるカバンは、その他にも何かはいっているようだ。今夜の夕食の可能性もある。
携帯とその怪しい厚みのものを出しておこうとチャックを開け手を入れ目的の物を取り出そうとしたところ、てっきりコンビニの袋と思っていたものが、小さな紙袋である事に気がついた。
引っ張り出してみれば、何やらカカシの知らぬブランド名の入った綺麗な紙袋であった。
それらを見てカカシは凍り付いた。
(なんなのコレ……)
指輪を連想させる大きさのプレゼントだ。イルカが誰かにあげるつもりなのか、はたまた貰った物なのか。
目の奥がチカチカした。こんな大雨の日に、カカシの部屋にイルカが寄らなかったのはこういう事情なのかと思った。
現に、玄関でカカシを見たイルカは大層驚いていたではないか。
毎朝、カカシは角部屋の窓の中からイルカを見下ろしてはいるが、数日ぶりに会えた恋人に喜びもしなかったじゃないか。
ぐつぐつと土鍋が鳴る音に、カカシは現実に引き戻された。
カカシは冷静さを取り戻すと、慌てて土鍋の火を消して辺りを片付け始めた。
流しの下の扉の前に買い置きのペットボトルの水を並べ、取っ手部分を隣の扉の取っ手と合わせてビニール紐でぐるぐる巻いてみるという奇妙な行動をとった。
そこへパジャマ代わりのジャージを着たイルカが現れた。
「あれ、……カカシさん、どうしました」
ギクッと身体を揺らしたのはカカシだった。
「イルカさん、早いね……」
卓袱台の足元に転がっている紙袋の存在にイルカが気づいた。
「あっ、それ!」
「ご、ごめん……」
カカシは素早く紙袋を卓袱台の上に置き直した。
イルカはというとニコニコ笑っている。
風呂上がりの笑顔は頬もつやつやで恐ろしい程に可愛い。
カカシの胸はイルカの笑顔を見た時にいつも感じる喜びと、痛みとで半分に千切れそうだ。
「ごめんね、カバン勝手に開けて……」
「え?俺が出していったんじゃなかったっけ?」
「ううん。俺が出した。中身まで濡れるとまずいと思って……」
「すいません、カカシさん」
イルカはとてもおおらかで悪く言えば大雑把な性格だ。細かい事はこちらが拍子抜けするくらい気にしない事が多い。
意外なイルカの出方に、次に何と言えばよいのかカカシの方が惚けてしまった。
「あれ?カカシさん、開けないんですか?」
「俺が開けていいの?」
「だって、カカシさんにと思って買ったんです」
どこに「だって」が繋がるのか分からないところがまたカカシのイルカ可愛い☆メーターの数値の針を振らせる。
そう言われたカカシが紙袋と揃いの包装紙を開けると、中から革の小箱が出てきた。
イルカを見やると、悪戯を見つけられた子供のようにニコニコと笑っている。
そんな風に微笑みかけられて、カカシは彼を風呂に追い立てるまで叱りつけるような言葉を浴びせた自分の所業が憎くなる。
それに流しの下の扉を紐でくくって開かないようにしたのは、万が一の告白を前に、無用な凶器を取り出しかねない自分を牽制しての事だった。
イルカに裏のない笑顔を見せられて、恥じ入りたい気分だった。
革の小箱を開けると、中にはピンクの石とスワロフスキーが組み合わされた上品で繊細なデザインのカフスボタンが一組収まっていた。
「……綺麗ですね」
あまりの事にカカシは言葉をなくした。なぜこれを、どうしてなのだろう。自分に対するプレゼントだった事に胸を撫で下ろしつつも驚いているのだ。
「よかった、やっぱり似合いそうです」
「もしかしてこのせいで、帰りに現金の持ち合わせがなかったの?」
「ちょっと予算オーバーしました。こっちの方が目についちゃって」
そう言って、濡れた髪を拭きながらイルカは首をかしげて笑った。
「えっと、これは……俺に?」
「先月のチョコレートのお返しです。倍返しって言聞いたから」
何から聞いていいのか、カカシは目を剥いてイルカを見詰めた後、カレンダーを頭の中に思い浮かべた。
「ホワイトデー……」
「まだ少し先だけど、買いそびれる前に用意しなくちゃと思いまして、今日目当ての店に行ったんです。でもカカシさんが居るなら、14日まで待たないで一日でも早く本人に持って貰った方が嬉しいし」
そう言ってイルカはまた歯を見せてニコッと笑った。
本当は、倍返しを誰がイルカに教えたのか、ホワイトデーの為にむやみに散財するなとか、びしょびしょになるまで雨に濡れるなとか、言いたい事は山ほどあった。
カカシは無言でイルカを抱きしめた。
イルカは唐突なカカシの動きに慣れてきたせいか、じっとしている。
「ありがとう。凄く嬉しい」
離れ際、名残惜しそうにぎゅっと力を籠めた。
「イルカさん、俺たち一緒に暮らそう」
感激のあまり、カカシはずっと望んでいた事を口にしていた。
イルカは少しあっけに取られたような顔をして、辺りを見回した。
カカシはその様子を見て、しまったと思った。
「へ、返事はすぐでなくていいんです」
イルカが切れ長の目を丸くして、カカシを見ている。
「まだ早いですよね。この先、そうしたいなっていう意味です」
「ルームシェアって言うんですよね、いいですよ。俺のアパートは少し狭いけど、住めない事もないと思います」
「エッ!?」
唐突なカカシの願いを、イルカが受け入れてくれた事が信じられないし、飛び上がる程嬉しい。今風のルームシェアであっても、言質さえ取ってしまえばそんなのはカカシの頑張りでどうとでも意味を変えてみせる。
だが、カカシは自分のマンションで一緒に暮らすつもりだった。持ち帰りの資料がたんとある仕事をしている。鍵付きの引き出し付きデスクや棚は必需品だ。このアパートでは狭すぎる。
「ベッドはじゃまだから、セミダブルの布団でも買えばいいか」
イルカがカカシにニコッと笑いかけた。非常に魅力的な提案だ。
カカシは頭の中がグルグル回って言葉が出て来ない。狭くてもここに住めば寝起きもぴったりくっついていていいというイルカのおゆるしだ。
「嬉しいなそう言って貰えて。俺、誰かと暮らすのは久しぶりです」
イルカのだめ押しの一言がカカシを襲う。理性をかなぐりすてて、イルカに飛び掛かってしまいそうだ
「お、俺の部屋にしませんか……、一緒に住むのは」
「……あぁ、そっちで……」
「ど、どうでしょう?」
イルカの表情が曇って行くのを見て、カカシは焦った。
「困ったな、それじゃ今すぐは無理かもしれません」
「ど、どうしてです!」
一緒に暮らしてもいいと即答してくれたのに、カカシの余計なひと言でそれが翻った事に泣いてしまいそうだ。
「ええっと、大家さんの息子さんが海外から戻ってくるまで、色々困った事があればお手伝いすると約束しているんです。ここの一階にお一人で暮らしてるから」
(大家に負けた———ッ!)
大家とは、カカシがイルカの部屋に上がり込むのを、鉄製の階段の柵越しにいつも渋い顔をして見上げている老人の事だ。
恋人との大事を前に、大家との約束を優先する性格だから、女性に愛想を尽かされる事が多いのかもしれないとカカシは思った。それはそれで誰かにイルカを取られずに済んで、カカシにとっては幸運でしかなかったかもしれないが、実際に大晦日から元旦に掛けホテルを取ろうとして、彼に断られた事を思い出した。大家が心細くないよう、このアパートに残りたかったのだろう。
「大家さんって、猿飛さんの事ですよね」
「ハイ」
「オレのマンションのオーナーもあの人なんですよ……」
「ええ?そうだったんですか」
それは事実だ。
「あの人はこの辺の地主なんです。イルカさんが見守ってあげなきゃいけないような老人じゃありませんよ」
「そうかなぁ。優しい方ですよね」
確かマンションの一室もあの大家が私室として使っている。そこに女性が出入りしている事も知っている。
優しいというのも、気に入った入居者だけなのではないだろうか。
駅前の新築のマンションでなく、普段こちらの木造の古いアパートで過ごしている事を考えても相当な偏屈だと思えた。
ここでイルカに大家と俺とどっちを取るかと聞くのは薮蛇だろうとカカシは思った。耳をもぎ取ってしまいたいような答えを聞かされたら、カカシは立ち直れない。
「大家さんと話をしてみます」
「カカシさんが?」
「大家さんも、そろそろバリアフリーのマンションで過ごす方が身体も楽でしょうし、向こうに住んだ方が何かと都合がいいでしょう」
「それもそうですね。それだったら、俺も顔が出せるし、そうなって欲しいです。とても楽しみになってきました」
「俺もです」
理詰めで説得するのはカカシの得意分野だ。難しい戦いになりそうな予感がするが、なにを置いてもイルカを譲る事などありえない。カカシの人生を掛けてもイルカは独占させて貰う。うかうかしていたらあの大家は、イルカにお見合いの相手でも連れてくるのではあるまいか。
「今度、このカフスボタンのお礼をさせてね」
「それはバレンタインのお返しだから、お礼なんていいんですよ」
「ううん、俺に似合うものを探してくれたイルカさんの気持ちが嬉しかったから」
そう言うと、イルカが本当に嬉しそうに微笑んだ。カカシのイルカ可愛い☆メーターの針が振り切れた一瞬だった。
(次は事実上の婚約指輪を贈らせて貰います―――)
それを受け取ったら、イルカが後戻りが出来なくなるようなきちんとしたのを選ぶつもりだ。

それぞれに新たな展望を見据え、外の大荒れの天気とは対照的に、二人は温かい夕餉を囲んだ。










(2013.3.8)



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